2010年1月
松本弘樹 連載コラム
証券株式市場より愛をこめて 2010
(1)2010年 日本株式相場の環境について
2009年に政権が交代し一時でも世間では、これで閉塞している社会・日本経済が変わるだろうと大きな期待感、希望感が高まった。
しかし現在の日本の抱えている財政と景気の問題があまりにも複雑かつ難解で、解決が困難なものであったため、当の民主党ですら与党となって初めて政策運営にあたり窮地に陥っているのが現状であろう。
同様に、私が証券業界の不祥事を約5年にわたり訴え続けてきたが、マスコミでは、やくざや仕手筋がどうこうというそちらばかりに注目が集まり、私の訴えるその本当の意味については世間に全く持って浸透していないように思える。
私が訴えてきた問題は、それまた個々に根が深く、今の日本にとっても重要な問題ばかりなのであるけれども・・・
私が主張しているその点というのは市場のルールや企業倫理のあり方などであり、その肝心な論点については、マスコミ各社が私に取材に来ても各種媒体でまだ一度も取り上げられていないのである。
私にとってはそれは甚だ残念な限りである。
現に証券市場の活性化が日本経済の復活・再生シナリオにとって、いかに大事なことかを認識しているものは、世間的に実際評論家を名乗る者の中にも非常に少ないといえる。
なぜならばバブル崩壊という壊滅的なトラウマを20年も前に多くの日本人が身にしみてしまっているため、相場や金儲けに奔走するのはけしからんという風潮がこの国の人々にいつの間にか浸透し染み付いてしまっているからなのである。
だから私は今年あえてその戒律を破るがごとく、改めて「日本人よ金儲けに目覚めよ」と訴えたいのである。
そしてこの不況下で、ただただ日本人が自信を無くしているのではなく、もっと日本経済の底力を信じろと、今、我々の住んでいる日本はアジアの中核たるポジションにいなければいけない存在であるということをみんなが自覚をして欲しいのである。
私は日本こそが公正で効率的な市場をもつ東アジアの金融センターとして、中国や他のアジアの経済を牽引する存在にならなければいけないというふうに考えている。
(2)金融当局へ 決して資本主義を否定すること無かれ
私は自分の苦い実体験から書籍でも実名で金融市場の問題点を指摘し、時として市場関係者を具体的に批判してきた。
しかしそれは一時も早くルールに乗っ取った公正な市場の確立、効率的な市場の形成を目指したものだからであって、その一方である投機的資金を、市場から追放する目的で語った事では毛頭ないのである。
むしろ私は勇気ある投機的資金こそが窮地の市場に必要不可欠なものであると経験上確信している。
西田が市場に参加し始めた時代(1990年代後半)は、銀行がバブル崩壊で痛手を受け、貸し剥がし等の資金回収に動いていた時期でもあり、証券市場でもその市場に対する救世主の登場を待ちわびていた時代でもあった
やりかたは別として、当時の西田の登場によって存続が救われた会社が皮肉にも少なくないのである。
逆に機関投資家といわれる(賢明と呼ばれる)資金ほど、そのような投資チャンスには弱く(脆く)投資しない言い訳ばかりだけの弱き存在であることは、私は現役のファンドマネージャーとして実務の立場から非常によくみてきたものである。
だからこそ、金融当局がその意味を深く認識せず、十把一絡げに全てを一網打尽に排除することは絶対にしてはならないと、私は強く警告したいのである。
そしてなによりも公正な市場の創設に対し、有識者や実務者の声をもっと反映させ一日でも早く(企業資金調達が効果的に機能する)資本市場の整備に努めるべきなのである。
さらに各取引所においては過去の自らのお粗末を素直に自戒し、より磐石で優秀な新興企業の育成の場、そのための徹底したルールつくりを完成させることが必要だと思う。
景気の側面からまだしばらく不況は続くであろう しかし不況下の株高という格言があるように、また企業家や従業員の抱く期待や夢が、将来の個人消費を支えるように日本経済に全く将来の希望や夢が無いわけではないのである。
今年2010年は、整備された金融市場が結果として蘇り、さらに活況を呈し、そして実態の日本経済の再生を牽引するきっかけになることを私は願ってやまない次第である。
再生の旗手なるか 4835 インデックスホールディングについて
再生の旗手なるか 4835 インデックスホールディングについて
私は3年間、片平真樹という中国ネットワークに強い人物と組んでイーストアジアというグループを経営してきた そしてその間、時期尚早ではあったが、日本の上場企業に対して、いくつかの事業提携を持ちかけたり新興企業の買収を画策したものであった。
しかしながらその試みは、いろいろな意味で上手くいかず、また同時に中国サイドの抱えている数々の障壁というものを自らが直に経験したことから、その実行の難しさに対しては非常に良く知る者の一人として自負しているつもりである。
その目から見ると、昨年のラオックス等のイベントはビジネスモデル的には稚拙で将来性は未知数ではあるが、日本の株式市場、特に個人投資家に中国企業とのコラボレーションを印象付けた意味合いはそれなりに大きいと思う。
そしてこれらによって株価が反応するという日本の株式市場の実績(トラックレコード)は、それに関わる中国側の真の実務者・投資家・企業家たちにとって、日本市場がビジネスや投資について魅力ある聖域という認識を持つには十分であったであろう。
またこの行動自体が現在の閉塞気味の日本経済に活路を見出すという意味では非常に重要な出来事であったことも事実であろう。
この意味でこのインデックスの事業提携は非常に興味深く、今後他の事業会社のモデルケースとなる可能性が高いであろうと私は考えるのである。
同社は日本国内では携帯コンテンツ事業の頭打ち感から、ここ数年、強引な成長戦略を模索し、かなり積極的な買収を繰り返してきた。
そしてその結果、それは多分に洩れず全て失敗をし、昨今、方向展開を余儀なくされる展開へとなっていた 市場はそれを感知していてか4ケタ台をはいつくばっている状態であった。
しかしながら活路を中国に見立て見事に中国大手企業との提携を成功させた今、将来的には中国市場の計り知れない潜在能力ある消費市場にビジネスモデルを提案できる展開、まさしく企業再生の最たるものの実践を果たしたといって良い。
あとは、企業の自己努力としての会社、特に経営陣がしっかりと舵取りを行えるかどうかという段階であり、投資家の立場から見ればそれを暖かく見守り応援していくばかりである。
中国の消費マーケットの大きさと、ブランド力あるメイドインジャパン商品の数々の融合、それらがマッチした時、わが国日本の、そしてアジアの経済圏の活性化が現実のものとなる日はそう遠くないのであろうから。
新春銘柄 <4835>インデックスホールディングス
<4835>インデックスホールディングスに注目以上
今年はこの銘柄から目が離せない
12月30日終値5150円
日経新聞
平成22年1月1日付より
携帯電話向けサイト構築大手のインデックスは中国最大の小売
グループ、フォアレングループ、天津市と提携する。共同でイ
ンターネット上のショッピングモールを運営するほか、電子ポ
イントの付与・交換といった事業を展開する。現地の大手企業
と組み、中国での事業拡大につなげる。フォアレングループが
日本企業と提携するのは初めてという。ネット通販サイトは2010
年中に開設する見通し。中国内のメーカーのほか、中国の消費
者に商品を売りたい外国企業にも出店を促す。3年後に5000億
円の年間販売額を目指す。電子ポイントの事業も共同で実施す
る。実際の店舗や通販サイトで買い物をした消費者にポイント
を付与し、現金や他社のポイントと好感できる仕組みにする。
インデックスは日本でポイント交換事業を手がけており、その
ノウハウを生かし、システム開発や運用などを担う。インデッ
クスは海外ではこれまで、現地企業の買収により携帯向けデジ
タルコンテンツの配信を中心にサービスを提供してきた。中国
の小売大手と組み、より市場の大きいネット通販に参入する。

